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これも昨年の話ですが、11月7日(土)~8日(日)の2日間、国連大学と青山学院大学を会場に第2回「アジア連帯経済フォーラム」が開催されました。フォーラムには、フィリピン、韓国、インドネシアなどアジア各国をはじめ、欧米からも市民社会を代表するNGO/NPOや社会的企業、マイクロクレジットなどの社会的金融や社会的責任投資(SRI)、協同組合、コミュニティビジネス、フェアトレード、有機農業、国際連帯税などの実践者や研究者が集いました。日本の参加者と共に社会的な課題を解決しつつ、自立・共助できる経済であるアジアと世界の「連帯経済(Solidarity Economy)」について、熱心な議論が行われました。http://solidarityeconomy.web.fc2.com/index.html

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主催はアジア連帯経済フォーラム実行委員会。事務局は、アジア太平洋資料センター(PARC)が担いました。後援・協力は、Charles Leopold Mayer 財団 (FPH) 、CSR-SME(アジア社会的中小企業連合)です。以下のリンクに、呼びかけ人と賛同団体が紹介されています。第1回の「アジア連帯経済フォーラム」は2007年10月にフィリピンのマニラで開催されました。この時には、アジア各国から約100名、フィリピンから約600名が参加し、多様な経験の交流の場となったといいます。http://solidarityeconomy.web.fc2.com/forum2007.html
http://www.carta-responsabilidades-humanas.net/spip.php?article1661 (英語)

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主催者によりますと、今回の第2回「アジア連帯経済フォーラム」への国内からの参加者は約320人。海外からは18カ国約40人のゲストが参加しました。スタッフ・ボランティアの約60名を加えると、合計で420人以上の人が参加したということです。会場になった国連大学前では、フェアトレード商品やオーガニック食品、有機野菜の販売やアジア関連商品の販売ブース、国際開発NGOなど参加団体の展示を行う「連帯経済マーケット(絆市)」も開催されて、好天に恵まれた期間中は大勢の買い物客で賑わいました。

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ところで「連帯経済(Solidarity Economy) 」とは何でしょうか?聞き慣れない言葉で、最初にこの国際会議のことを聞いた時には、自分にはあまり関係のない集まりだろうと思いました。でも、最近よく耳にする「フェアトレード」、「マイクロクレジット」、「有機農産物による地場マーケット」、「社会的企業」などもその仲間だと知り、関心を持ちました。

「連帯経済」とは、市場原理に基づく利益最優先の経済の仕組みだけではない、人々が生きていくための助け合いや信用・信頼に基づく「命」を最優先にする経済の仕組みだといいます。この10年で、経済のグローバリゼーションが浸透し、貧困と経済的な格差が日本を含めて世界中で拡大しています。このような状況の中でも、利潤のみを追求する強力な市場経済に与しない多彩な営みが、ブラジルなどの南米諸国やアフリカ諸国、東南アジアなど世界各地で様々なレベルで模索・実践されているといいます。http://solidarityeconomy.web.fc2.com/aboutSE.html

例えば労働者・農民・消費者などの協同組合、地域の自助組織による福祉や医療、地域通貨、NGO/NPO、フェアトレードや社会的企業、マイクロクレジットなどの社会的金融や社会的責任投資(SRI)、協同組合、コミュニティビジネスなど、私たちの身近にも存在するこれらの草の根の経済活動の総体が「連帯経済」と呼ばれています(欧州では「社会的経済」という言葉が古くから使われています)。

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フォーラムの初日は、今回の実行委員会共同代表の北沢洋子さん(国際問題評論家)の挨拶で始まりました。最初のセッションは、『グローバルに広がる連帯経済』と題して、北米、カナダから「カナダ・ケベック連帯経済グループ(GESQ)」ビンセント・ダジュネ氏。EUからは「連帯経済フォーラム ルクセンブルグ09」のマルティーヌ・テヴォニオ氏。オーストラリアからは「ジョブ・オーストラリア」のディビッド・トンプソン氏などが、各国で広がっている連帯経済の発展の様子を報告してくれました。二日間にわたるプログラムは以下の通りです。
http://solidarityeconomy.web.fc2.com/forum2009.html

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次のセッションでは、『アジアにおける連帯経済―多様な実践をつなぐために』と題して、第一回のアジア連帯経済フォラーム2007の立役者でもあるフィリピンのベン・キノネス氏(CSRSME Asia)。蓄えた髭が立派なマレーシアのバイナリー大学社会的企業センター戦略的計画委員会委員長のデニソン・ジャヤスーリア氏。今回のアジアからの海外ゲストでは貴重な女性、インドの女性自営業者協会からイラ・シャー氏。 韓国の社会投資支援財団からはジャン・ウォンボン氏。そして日本からは、本フォーラム実行委員会共同代表で早稲田大学名誉教授(開発経済学)の西川潤氏が、各国の状況や実践の具体例を報告されました。

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僕は午後は用事があって参加できませんでしたが、セッション3では『連帯経済を促進するための社会的金融』というテーマで、「社会的金融と社会的経済」について、バーント・バルケンホル氏(ILO 社会的金融プログラムディレクター)。「EUにおける社会的金融 多様なアクターの連携とネットワーク」について、ビビアンヌ・ヴァンドミュールブルケ氏(INAISE:社会的経済における国際投資家協会)。「マイクロファイナンスの役割」について、ミコル・ピステリ氏(マイクロファイナンスインフォメーションエクスチェンジ:MIX)。そして最後に「日本における社会的責任金融」について、 河口真理子氏(大和総研経営戦略研究部長)からの報告がありました。

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最後のセッションは、『社会的企業の果たす役割』というテーマで、「フィリピンにおける社会的責任ある中小企業の可能性」について、ベン・キノネス氏(CSRSME Asia)。「日本における社会的企業 ワーカーズ・コレクティブの実践から」について、藤木千草氏(ワーカーズコレクティブネットワーク〈W.N.J〉事務局長)。「社会的企業を支える中間支援組織の役割」について、イ・ウネ氏(韓国・ともに働く財団)。最後に「日本の社会的企業の展開に向けて」大高研道氏(聖学院大学コミュニティ政策学科准教授)からの報告がありました。

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【連帯経済と社会的企業】とても天気のいい土曜日に開催された会議では、興味深い報告がたくさんされていました。最近は日本でもNPOやNGOで働くだけでなく、「連帯経済」的な社会貢献型の事業を通じて社会問題を解決する社会的企業で働きたいという若い人が増えているように聞きます。特に、「失われた10年」に就職で苦しんだいわゆる「ロストジェネレーション」世代などがその中心だと思いますが、その動きが実は広くアジアや南米、アフリカなど開発途上国だけではなくヨーロッパも含めた世界の動きとも連動しているのだと思うと国内の現象がまた違った風に見えてくるように感じました。

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2日目の会場は、国連大学の通り向かいにある青山学院大学。初日に討議されたテーマを具体的な5つのテーマ別ワークショップ(分科会)に分けて、より詳しい議論が行われました。そのテーマは以下の通りです。どの分科会も、その分野の第1人者が最新の情報を発表する魅力的な内容で、どれも本当に聞きたかったのですが、体はひとつしかないから全部には参加できずとても残念でした。分科会の会場となった教室はどこも満員で、若いOLさんから、サラリーマン、年配の方までが熱心に議論に聞き入っていました。参加者のなかにはそれぞれのテーマの実践者や研究者、ジャーナリスト、それに国会議員の姿も見えました。分科会のテーマは以下の5つです。
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A.社会的金融の可能性(グローバル・ローカルでの取り組み拡大に向けて) 
B.フェアトレードの拡大と深化(発展の歴史と現状) 
C.「いのち」のセーフティネットを地域で創る(福祉・介護・医療の現場から)
D.食と農の循環による地域の小さな経済づくり(持続可能な農業と町づくり)
E.国際連帯税(グローバル経済の規制と富の再分配)
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分科会Aのテーマは「社会的金融の可能性(グローバル・ローカルでの取り組みの拡大に向けて)」。コーディネーターは水口剛氏(高崎経済大学教授)。「社会的責任ある金融のこれからの広がり」について土谷和之氏(A SEED JAPAN理事)。「社会的責任ある金融のグローバルなネットワーク」について、ビビアンヌ・ヴァンドミュールブルケ氏(社会的経済における国際投資家協会:INAISE)。「日本発の途上国向け社会的投資のしくみ」について功能聡子氏(ARUN代表)。「貧困者の仕事づくりと社会的企業を推進する“社会連帯銀行”」についてパク・ムンボン氏(韓国社会連帯銀行 本部長)。「日本のNPOバンクの取り組み」について向田映子氏(女性・市民コミュニティバンク代表)が、それぞれの実践に基づいて報告しました。この分科会には、元環境庁長官で参議院議員(当時)の広中和歌子氏も参加されていました。
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今回、カンボジアなどアジアの開発途上国支援のための社会的投資ファンドARUNの活動について報告された功能聡子さんは、イギリス留学時代にLSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス:ロンドン経済政治大学院)で共に学んだ仲間です。その新しい形の「社会的責任投資(SRI)」活動は企業やメディアの注目を集めています。http://www.arunllc.com/

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分科会Bのテーマは「フェアトレードの拡大と深化」です。コーディネーターは、元日本国際ボランティアセンター(JVS)ラオス事務所代表で、東京経済大学教授の渡辺龍也氏が担当されました。最初に「ヨーロッパのフェアトレードの発展の歴史と現状-WFTO(連帯型)とFLO(認証型)の特徴と課題-」についてルディ・ダルバイ氏(CTM Altromercato/元WFTO代表)。「生産者から見た南北連帯としてのフェアトレード:その意義と課題」についてチャンドラ・プラサッド・カッチパティ氏(ネパール生産者団体"Sana Hastakara"代表/WFTO-Asia代表)。「日本とアジアの民衆交易―生産者組合と消費者生協の連帯」について上田誠氏(㈱オルター・トレード・ジャパン〈ATJ〉社 専務取締役)。「商品開発と消費者啓発:連帯の強化に向けて」について小野倫子氏(ピープル・ツリー広報マネージャー)が発表されました。http://www.peopletree.co.jp/

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1991年に設立された「グローバル・ヴィレッジ」は、開発途上国の環境と貧困問題について情報提供と啓発活動を行い、フェアトレードを推進するNGOだといいます。1995年にフェアトレード事業部門を独立させフェアトレードカンパニー株式会社を設立。2000年にブランド名を「ピープル・ツリー」としました。現地の開発プログラムを支援しながら、環境を害さない持続可能な新しい国際貿易のあり方を提案しています。 http://www.globalvillage.or.jp/index.html

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1986年に、フィリピン・ネグロス島の飢餓に対する援助団体として 「日本ネグロス・キャンペーン委員会(JCNC)」が発足しました。現地で生産されるマスコバド糖やバランゴンバナナ、エコシュリンプやオーガニックコーヒーなどの民衆交易のための会社として1989年にオルター・トレード・ジャパン(ATJ)が設立されました。らでぃっしゅぼーやも、創設当時からその活動を支援、参加してきました。
http://www.altertrade.co.jp/index-j.html

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このようなフェアトレード事業に取り組む社会的企業の成り立ちは、有機農業とオーガニック食品の流通事業に取り組む企業が、最初は農薬や化学肥料などによる環境問題を解決するための環境NPO/NGOとしてその活動をスタートしてきた歴史と共通するものを感じます。以下は、業界を代表するらでぃっしゅぼーやと大地を守る会のこれまでの活動を紹介したサイトです。
http://corporate.radishbo-ya.co.jp/20th.html
http://www.daichi.or.jp/anniversary/

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【有機農業とフェアトレード】今回のフォーラムのなかでは、この分科会が、いまの自分の仕事にある意味で一番近いように感じました。オーガニック食品市場も、有機農業で作られた原料を使う有機食品と一般の慣行農業で作られた食品との違いを消費者に伝えるための検査・認証に基づく有機認証制度による「有機認証マーク」を持っています。 この有機認証制度は、現在では世界各国で法律で守られた制度になっていますが、1970年代に有機農業運動が始まった頃は、民間の自主認証としてスタートしました。フェアトレード市場には、民間の認証制度による①商品へのラベリングと②フェアトレードを実践している会社を認証するふたつの仕組みがあると理解しています。それぞれに利点と問題点があるのだろうと思いますが、いずれにしても消費者にわかり易いコミュニケーションというか、表示やマーク、ブランディングはより多くの消費者にその意味(開発途上国の生産者支援)をわかってもらって買ってもらうためには重要なことだと思いました(※フェアトレード・ラベル・ジャパンのサイト)。http://www.fairtrade-jp.org/

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分科会Cのテーマは「いのち」のセーフティネットを地域で創る―福祉・介護・医療の現場から」。コーディネーターは北嶋信雅氏(日本生活協同組合連合会医療部会/アジア・太平洋地域保健協同組合協議会 事務局長)。「インドにおける貧困者への小規模保険(マイクロインシュアランス)」についてイラ・シャー氏(女性自営業者協会)。「高齢者大国・中国の選択とは?―福祉・医療の実態と課題」について沈潔氏(浦和大学総合福祉学部教員)。「韓国:地域通貨と医療サービス提供/貧困者へのケア」についてキム・ソンフン氏(韓国タンポポ医療生協)。「地域で行なう小規模な事業とセーフティネット」について香丸眞理子(特定非営利活動法人 アビリティクラブたすけあい前理事長)。「山形県での介護・医療の地域ネットワーク」について松本弘道氏(山形県庄内医療生協専務)。

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分科会Dのテーマは「食と農の循環による地域の小さな経済づくり」です。コーディネーターは、大江正章氏(コモンズ代表/アジア太平洋資料センター理事)。「地域のチカラ―食と農を結び、人とまちを元気に」について報告。「タイ:農村を軸とした地域循環型まちづくり」についてバムルン・カヨター氏(タイ「貧民連合」相談役)。「韓国:持続的な農を可能にするための運動と政策」について権寧勤氏(クォン・ヨングン:韓国農漁村社会研究会所長)。「インドネシア:農村における小さな事業と女性の力」についてイラワティ・ヘルマントヨ氏(Bina Swadaya:Self Reliance Development Foundation)。「ラオス:持続可能な地域開発とフェアトレード」についてボウハイコーン・スペングスサ(ラオ・ファーマーズ・プロダクツ)氏が発表。コメンテーターは、農林水産副大臣になった元農水官僚で衆議院議員の篠原孝氏でした。

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この分科会でのテーマ「食と農の循環による地域の小さな経済づくり」は、2010年2月に神戸で開催された、生産者と消費者の有機農業を通じた提携運動によるに関する国際会議「産消提携国際シンポジウム(地域がささえる食と農 神戸大会)」とつながりの深い内容でした。http://organic.no-blog.jp/weblog/2010/03/post_589d.html

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分科会Eのテーマは「国際連帯税―グローバル経済の規制と富の再分配」。コーディネーターは上村雄彦氏(横浜市立大学准教授)。「マネー資本主義をどう規制するか」について西川潤氏(早稲田大学名誉教授)。 「経済危機への対抗と国際金融改革」について高桂鉉氏(韓国・経済正義実践市民連合〈CCEJ〉政策室長) 「金融規制、富の再分配とグローバルガバナンス」について諸富徹氏(京都大学准教授)。 「国際連帯税実現に向けた世界、アジア、日本における取り組み」について上村雄彦氏が紹介されました(以下は上村雄彦さんも関わっている「国際連帯税を推進する市民の会(ACIST)」のサイトです)。http://www.acist.jp/

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【連帯経済とオーガニック市場】今回のテーマである「連帯経済」と自分の仕事とのつながりで言えば、有機農業はいまや世界中に広がってオーガニック市場はヨーロッパとアメリカを中心に約5兆円近いマーケットに成長しました。市場の発展は、アジアや南米、インドやアフリカなど開発途上国の有機農業に取り組む農家がこの市場にアクセスすることで売り先を見つけて農家たちの生活レベルを向上することにつながります。その点では、これも広い意味での連帯経済もしくはソーシャル・ビジネスと呼べるのではないかと思います。ただ、生産者が国際的なオーガニック市場に出荷するためには国際的な有機認証機関による検査・認証を受けなければなりません。それが、特に開発途上国の小規模農家にとって経済的な負担になって、この市場に参入できない生産者が増えてきているという問題も発生しています。

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この状況に対して、国際市場とローカルな市場の隙間を埋めるのが国内のオーガニック市場に向けて、消費者も参加する形で有機認証を行う仕組みを通じて有機農産物を地場マーケットに供給する「PGS(参加型認証制度)」の活性化です。このような地域に根差した有機農産物流通の仕組みは、現在インドや中南米、アフリカ諸国などで急速に広がっています。また、日本では1970年代から、地域でお互いに「顔のみえている」生産者と消費者が「提携」して有機農産物の生産と流通を支える仕組み(産消提携運動)を作ってきました。アメリカでは、この提携運動をヒントにした「地域が支える農業(CSA)」という仕組みやフォーマーズマーケットなどが広がって1700ものグループがあり、フランスでも1000に近づいているといいます。この「地域に根差した小さな経済づくり」に関しては以下の記事(地域がささえる食と農 神戸大会)をご参照下さい。
http://organic.no-blog.jp/weblog/2010/03/post_589d.html

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【国際貿易と連帯経済】また、オーガニック食品の世界的な貿易については、地球温暖化などのことを考えると二酸化炭素の排出につながる長距離の貿易は、フードマイレージ的に考えると必ずしもいいことではないかもしれません。でも、すでに多くの食品は世界中で農薬や化学肥料、遺伝子組み換え作物(GMO)に依存した環境負荷の大きい栽培方法で作られた原料で作られて貿易されています。それを、生産段階で二酸化炭素の排出が少なく、農薬や化学肥料による環境汚染を大きく減らすことのできる有機農業で栽培されたオーガニック食品に置き換えていくことは、農業と食品産業における総合的な環境負荷を減らすという意味ではメリットがあるのではないかと考えています。もちろん、自国の有機農業とオーガニック食品市場を発展させることが先決ですが、開発途上国で生産された有機農産物やオーガニック食品を近隣の経済的先進国が購入することは、広い意味でのフェアトレードといえるのではないでしょうか?

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「連帯経済」の好例に、2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマンド・ユヌス氏のグラミン銀行によるマイクロクレジットの取り組みがあります。飢餓や貧困が大きな社会問題になっていたバングラディッシュで貧困層に対する低金利、無担保貸融資を行うことによって地域に根差した少規模な事業が育って、生活水準が向上することで貧困の削減に成功しているソーシャル・ビジネスです。http://59155480.at.webry.info/200901/article_2.html

今回、アジア連帯経済フォーラムに参加して、これからは各分科会で紹介されたような、人間や環境を大切にする連帯経済が開発途上国を中心にじわじわと世界中に広がっていく時代なのかもしれないと感じました。そして、自分が長年関わってきている有機農業やオーガニックビジネスの発展が「連帯経済」の発展につながっていることを確認できてとてもうれしく感じました。21世紀には、利益優先の人や環境を傷つける乱暴なビジネスではなく、社会的企業などによる人にも地球(環境)にも優しいオルタナティブな連帯経済が、もっともっと広がっていくといいなーと思いました。最後に、とても重要な国際会議の事務局を担ったアジア太平洋資料センター(PARC)の皆さん、お疲れ様でした。そしてありがとうございました!http://www.parc-jp.org/

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